物忌ものいみ 禊みそぎ 大祓おおばらい
祭祀には当事者が穢れを去って清められることが必要であり、そのために物忌と祓と禊が行われた。『日本書紀』神話には伊邪那岐神が筑紫の日向の橘小戸の阿波岐原で杖・帯・衣・褌などを棄てて祓を行ったことや、素戔嗚尊が千位置戸を科せられて髪・手足の爪を抜いて罪穢をつぐなった説話がある。天武5年(676)、天武10年(681)、詔とて四方に大祓が実施されている。律令の整備により、6月・12月の恒例の大祓が年中行事化した。古代国家の解体とともに大祓行事も衰退していった。明治4年(1871)大祓の修行が布告され国家行事として重視された。民間では旧暦6月の大祓を夏越の祓と呼び、近畿地方では茅の輪をくぐったりする。
物 忌
祭に当たり神を迎えるためには清浄な状態に入り、これを保つことを意味する。これに服するものは神主・頭屋のみが通例で、頭屋は水垢離と火を清浄にするため家族の者とも炊事を別にし、篭居するという厳しい斎戒に従う。
禊 水によって穢れを洗い流すことで、沐浴・垢離などともいわれ、日本では別火による物忌と水による浄祓がとくに重んじられ盛んに行われた。京都の鴨川・伊勢神宮の宮川や神輿が海辺に出て禊を受ける例が多い。
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