鳥居
鳥居は神に対する門に相当する呼称で、神門ともいう。このほか華表とも表わされ、名義は種々あって一定しない。その起原はインドの玉垣の門(トラーナ)、中国の華表(墓所の前の門)、朝鮮の紅箭門などに関連するといわれているが、鳥居は日本の神社の特有の建物である。木・石・金属で造られ、木には黒木鳥居と白丸太鳥居がある。金属では銅・鉄が用いられ、江戸時代には陶器、大正時代にコンクリートも用いられてきた。立てられる場所によって一ノ鳥居、二ノ鳥居の別がある。『神道名目類聚抄』には、二柱鳥居・嶋木鳥居・四足鳥居・藁座鳥居・総合鳥居・三輪鳥居の6つをあげている。現在は神明鳥居・島木鳥居・明神鳥居・変形鳥居に分類されている。
神明鳥居
円柱・直立・掘建の最も素朴なものである。貫は角材で柱の外には通さない。笠木は丸太で切口(木鼻)は垂直である。島木がない。伊勢神明鳥居は、笠木の断面が五角形で切口は内側に傾斜し、貫に楔を打ち込んでいる。鹿島鳥居と黒木鳥居がある。鹿島鳥居は貫が柱の外につきぬけ、楔が打ち込まれている。
島木鳥居
笠木の下に島木という横木がついている。明神鳥居と変形鳥居に分けられる。明神鳥居は最も多い鳥居で、稲荷・両部鳥居・変形鳥居がある。
明神鳥居 最も多い鳥居で、稲荷・両部鳥居がある。共通して柱の上部が内側に転び、傾斜する。柱は礎盤・亀腹・饅頭の台石の上に立っている。貫は柱を通し、切口は垂直、貫の中央に額束をのせ、貫に楔をつける。島木・笠木は反増して反り、切口は斜角である。稲荷鳥居には柱頭に台輪がのるので台輪鳥居ともいう。
両部鳥居
権現鳥居、四脚鳥居ともいう。柱頭に台輪がつき、四脚の控柱(稚児柱)をもつ、普通、笠木の上に屋根をのせる。
変形鳥居
春日・八幡・山王・三輪鳥居がある。春日鳥居は、鹿島鳥居に似て、柱はやや内転び、島木は水平、笠木にわずかに反増がある。切口は島木が垂直、笠木は斜角。礎盤はなく、額束、楔がある。八幡鳥居は春日鳥居に似て島木が垂直、笠木は斜角である。山王鳥居は、日吉鳥居、合掌鳥居ともいい、笠木の上に合掌形になっている。台輪、根巻(藁座)がある。三輪鳥居は直立した柱に、左右の脇鳥居、中央に板唐戸の扉がある。
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